The Linux Documentation Project (日本語版)
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 LINUX DOCUMENTATION PROJECT (LDP) マニフェスト 


改訂者: David S. Lawyer (dave@lafn.org)
最終更新日: 2000年12月18日

ここでは、Linux Documentation Project の目標と現状、文書の作成方法、 およびライセンス上の必要事項について説明します。


1. 概要

Linux Documentation Project は、GNU/Linux オペレーティングシステムのための 良質でフリーな文書を開発する活動しています。LDP の最大の 目的は、Linux に関するすべての事柄の文書化を、共同で押し進めることです。 HOWTO や Guide の作成はこれにあたります。さらにわれわれは、簡単に利用と 検索ができる文書システムを構築したいと考えています。man ページや info 文書、 HOWTO その他の統合はこれにあたります。

LDP のゴールは、Linux に関する正式なフリー文書のセットを作ることです。オン ラインでの(ダウンロード可能な)文書は、Linux を取りまく世界の様々な変化に対 応して頻繁にアップデートできるという利点がありますが、われわれは、同じ文書 をオフラインで読むために CD-ROM や印刷された書籍としても提供したいと考えて います。LDP の文書の出版に興味 がある方は、下記の 「LDP 文書の出版」をご覧ください。

LDP は、本質的にボランティアによる緩やかな共同体であ り、最小限の中枢組織しか持っていません。運営に興味のある方は、是非活動に参加し てください。われわれは、参加者がインフォーマルに協調し、メーリングリストでプロ ジェクトの議論をすることが、最良のやり方であると思っています。意見が食い違うと きは、納得のいく合意に達するまで、互いに議論しています。


2. 現在のプロジェクトとその参加方法

現在の LDP の主要な活動は、HOWTO を書くことです。何らかの HOWTO を書こうと 思った場合は、既に同一のトピックがないかどうかまずチェックしてください。 もし既に存在するときは、その文書の管理者 に連絡を取って、手助けを申し出るのが よいと思います。HOWTO がない場合は、新規の HOWTO の作成を考えることになるでしょ う。詳細については、 LDP Author Guide( 日本語訳) (以前は HOWTO-HOWTO と呼ばれていたもの です) と HOWTO-INDEX( 日本語訳) をご覧ください。

Guide は、一般書籍ほどの分量を持つ LDP 文書であり、 システム管理などの幅広いトピックを扱っています。われわれは、C プログラミングや デバイスの man ページも管理しています。

他にも、HOWTO の間違いや不明確なところのチェックや、ウェブサイトの改善、 Linux の統合文書システムの開発といった作業があります。そうした(HOWTO の執筆 以外の)プロジェクトに興味があれば、現在の LDP コーディネイターである Guylhem Aznar <guyhem@metalab.unc.edu> と連絡を取るか、LDP の作業用メーリングリスト discuss@linuxdoc.org にメールを送ってください(訳注: ML は 登録が必要です)。


3. LDP ウェブサイト

LDP には、世界中に 250 以上のミラーサイトがあるので、そこから LDP 文書の検索 やダウンロードが可能です。メインサイトは、 http://www.linuxdoc.org です。 そこでミラーサイトのリストを見つけて、近くのミラー サイトを利用してください。


4. 文書作成の方法

LDP では、現在以下のような方法で文書を作成・管理しています。これとは異なる 方法で新規文書を書こうとする場合は、まずそのプランをわれわれに教えてください。

  • すべての HOWTO 文書は、LinuxDoc か DocBook かのどちらかの SGML フォーマット で作成される必要があります。LinuxDoc のほうがシンプルであり、DocBook は、 機能が追加されているのでやや複雑です。

  • Guide は、LDP が作成した完全な書籍であり、主に印刷を目的とした文書なので、 昔から LaTeX 形式になっています。しかし、Guide の著者たちは、DocBook DTD を 使った SGML 形式に移行しています。DocBook DTD なら、印刷にもオンラインにも 対応した、様々な出力形式の文書を作成できるからです。LaTeX を使う場合は、 スタイルファイルがあるので、それを使えば印刷時の体裁に関して他の LDP 文書との 整合性を維持できます。

  • man ページは、Unix の標準的なオンラインマニュアルなので、Unix の標準である nroff man (あるいは、BSD mdoc )マクロで作成されます。


5. ライセンス上の必要事項

誰でも、LDP 文書(あるいは、それ以外の LDP の成果)を、あらゆるメディアや フォーマットで、複製および(販売や譲渡による)頒布をすることができなければ なりません。著者に著作権料を支払わなくてよいことが必要です。文書を変更で きることまでは要求されていませんが、推奨はされています。

上記の条件を満たす独自のライセンス条項を付けることができますが、予め用意 されたライセンスを使うことも可能です。LDP では、自由に利用できるライセンスの 鋳型を用意しています。GPL を利用しようとする人たちもいますが、自分でライセンスを作る人たちもいま す。文書専用の GPL を作成しようとするプロジェクトが進行中なので、そのライセン スの使用がおそらく非常に妥当な選択となるでしょう。

個々の文書のコピーライトには、主たる著作者の名前を記してください。"The Linux Documentation Project" は、正式な権利帰属主体ではないので、 コピーライト保持者としては使用できません。


6. ライセンスの鋳型

以下は、著作権表示のサンプルとライセンスの「鋳型」ですので、これを作品に対して 使用することもできます。

Copyright (c) 2000 by John Doe (あなたの名前に変えてください。)

この文書は、任意のフォーマットで、自由に複製および(販売や譲渡による)頒布が 可能です。訂正ならびにコメントは、文書管理者宛てにお送りください。 二次的著作物を作成し頒布する場合は、以下の条件を満たさなければなりません。

  1. 作成した二次的著作物は、(SGML などの最適なフォーマットで)インターネット上の LDP (Linux Documentation Project) か、それに類する団体まで送付すること。LDP 以外に送付するときは、それがどこで入手可能かを LDP に知らせること。

  2. 二次的著作物にはこの文書と同一のライセンスか GPL を付与すること。 著作権表示を付けること、および(使用したライセンスの全文、もしくは全文掲載が できない場合は)少なくともそのライセンスを参照できるポインタを記載すること。

  3. 原著作物の著者ならびにその主要な貢献者の氏名を明記すること。

翻訳以外の二次的著作物の作成を考えている場合は、当該文書の現在の文書管理者と そのプランについて話し合ってください。


7. LDP 文書の出版

もしあなたが、LDP 文書の頒布(出版)に関心を持つ出版社の方なら、以下をお読み 下さい。

上記に示したライセンス条項に照らして、誰でも LDP 文書の逐語的複製を出版 ・頒布することができます。わざわざ許可を求める必要はありません。しかし、 LDP 文書を原著作物とする翻訳や二次的著作物を頒布する場合、それが原著作物の ライセンス上著者の許可を必要とする限り、事前に連絡を取る必要があります。

営利目的で LDP 文書を販売することも、もちろん可能です。われわれは、そうして 欲しいと考えています。しかし、LDP は自由な頒布が可能なので、誰でもそれを 複製し、頒布できることには留意してください。したがって、自由に複製できる 部分とできない部分を分けて識別できるようにすることで、自由に複製できない 部分の著作権を侵害することなく、できる部分を簡単に複製し得るようにしておく 必要があると思われます。

われわれは、LDP 文書の販売で得た何らかの利益から著作権料を支払うよう要求は しません。しかし、営利目的で LDP 文書を販売した場合は、著者に著作権料を提供 するか、その収益の一部を著者か LDP 全体、あるいは Linux コミュニティーに寄付 することを提案したいと思います。LDP 文書の著者に、販売している書籍を何冊か 献本するのもいいでしょう。LDP と Linux コミュニティに対してあなたが示した サポートは、非常に高い評価を受けるでしょう。

われわれは、LDP 文書の出版や配布のプランがある場合は、知らせてほしいと思って います。どういう形で入手可能になるのか知りたいからです。もし LDP 文書を 出版している場合、あるいは出版を計画している場合は、 feedback@linuxdoc.org までメールで連絡してください。誰が何をしているのか知りたいのです。

われわれは、Linux ソフトウェアの配布元が、ソフトウェアと一緒に CD-ROM で、 LDP 文書を配布するようお願いしています。LDP 文書は、「公式な」Linux 文書として 利用されることを意図したものであるので、配布元がソフトウェアに LDP 文書を バンドルしているのを見るのが楽しみなのです。


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David S. Lawyer, dave@lafn.org

Greg Ferguson, gferg@sgi.com
translated by JF@linux.or.jp

以前のマニフェスト: 1999年10月18日
この文書の最終更新日: 2000年12月22日